日本の動物 第8弾

199 タイマイ

熱帯から亜熱帯にかけてのサンゴ礁の海に生息し、国内では八重山諸島の黒島などで産卵が確認されている。黄褐色や茶褐色の甲羅を持ち、本種だけの特徴として背中甲板が重なり合っている。主に岩場に張り付いた海綿を主食としているため尖ったくちばしを持つ。甲殻類やヒトデ等も捕食する。日本古来から『鼈甲(べっこう)』と呼ばれる伝統工芸品の材料として用いられており、また飲食店や企業の社長室、お金持ちの家の応接室などに飾られているカメの剥製は、おおよそこのタイマイのもので、日本では特に馴染みが深いウミガメ。特に重なった甲板の下の部分が高級鼈甲として珍重され乱獲されたことから、世界的に非難を浴びたことがある。現在はワシントン条約の附属書I類き記載され、全世界的に商用取引が厳禁されている希少種である。