週刊 日本の天然記念物(動物編)

014 ルリカケス

ルリカケスは奄美大島を中心にその近辺の島々に棲息する鳥だ。けっこうデカイ。全長は38cmほどあるらしい。カラスの仲間であり、言われると顔つきがカラスっぽい。でも、おそろしくキレイな瑠璃色の頭部と翼、尾と、赤とも紫とも言い難い不思議な色の胸部をしている。なんでこんなに目立つ色になったんだろう?それは棲息域がうっそうと茂る密林の中であり、そこは日中でも日が届かない。瑠璃や赤などの派手な色は暗い中でダークブルーや黒に近いブラウンと化し、カモフラージュとしての役割をみごとに果たすのだという。すばらしい! いったい誰が教えたのか、自然の力ってのは本当に計り知れない。最近ニュースでルリカケスが農家の作物(サツマイモ)を食い荒らす場面をやっていた。ここでも人と自然との摩擦が発生している。まぁ、自然界でも平然と弱肉強食が繰り返されている事を考えると、仕方なしかもしれないが、ヒトという種は完全にルール違反を犯してしまっているから、ダメなんである。それは、『強弱の前にある大前提の自然というものを破壊してしまう』というルール違反だ。サッカーで言うなら、いきなり手に持って走り始めちゃうようなもんで、もう話にならないのである。ヒトはルール作りの達人なのにどうして自然に対しては的確なルールを作れないんだろう?自分だけよければイイいう感性のなせるワザか。何とも悲しいことである。造形的には、木の枝にとまりこちらを伺う姿か。青と赤のコントラストが鮮やかだ。分割面も計算されており、目立たないところがすばらしい。