週刊 日本の天然記念物(動物編)

007 モリアオガエル

モリアオガエル。生まれてこの方、実物を見たことがないので何とも言えないが、フィギュアを見る限りでは、なかなかカワイイやつである。以前、いろんなカエルを飼ってみたが、けっこう楽しい。カエルっていうと、雨の日とか、水辺っていうイメージを持つけれど、実は意外と乾いたところで暮らしているものもいる。もちろん両生類だから、産卵やオタマジャクシ時代には確実に水辺が必要であるが、成体は、けっこう乾きにも強い。特に、ヒキガエルなどは、けっこう乾いた土の上で暮らしている。たまに湿度を欲するとき(脱皮の時とか)もあるけれど、ほとんど乾いた土の上での生活だ。日陰は好きみたいだけれど。とにかく、カエルは飼ってみると意外におもしろい。ちょっとイヌっぽい仕草もしたりする。(笑)モリアオガエルは、天敵が非常に多い。卵やオタマジャクシ時代は水中の肉食昆虫(タガメ・ゲンゴロウ・ヤゴ等)やイモリなどに補食され、成長後は猛禽類やヘビ、トカゲ等の爬虫類に襲われ、キツネやタヌキ、イタチなどにも補食される。まったく悲惨な人生(?)であるが、彼らは自然界の食物連鎖としては大切なパートを担っている。つまり、食物としての存在意義である。彼らが居なくなると、補食している多くの種が絶滅に瀕することになる。補食されることに負けないようにカエルはたくさんの卵を産む。そんな中、モリアオガエルはちょっと変わっていて、木の上で枝や葉に泡状の巣を作ってそこで交尾し産卵する。写真でしか見たことはないが、水辺の木に鈴なりになっている泡巣は、なんだかすごい生命力を感じるものである。食われても、食われても負けずに増えていくカエル達。人の手による絶滅だけは避けたいものである。造形的には、四肢を踏ん張り、今にもピョーンと跳躍しそうな緊張感が表現されている。秀逸である。