週刊 日本の天然記念物(動物編)

001 イリオモテヤマネコ

イリオモテヤマネコは昭和42年(1967年)に初めて学会に発表された。私が小学校1年生の時。それまでどこにいたんだろうね? イリオモテヤマネコは西表島を含む八重山諸島では、自然の生態系の頂点に位置し、天敵不在の種であるため、数は多いのかと思いきや、現在推定100頭。(!)海に囲まれた島々では、補食する餌も、無尽蔵ではなく、生態系の頂点にいるとはいえ、どんどん増えたら、自滅してしまうことを本能的に知っているのか。・・・と、付属の本誌(フィギュアのほうが付属なのか?)を読み進めると、環境破壊も頭数の減少の原因であると記載されている。そして、2001年に毒を持つ、オオヒキガエルが島に来て、さらに生態系の影響が心配されている。食べたら死ぬぞ!っていう餌が島で繁殖し始めてしまったからたまらない。島の奥深く、ひっそりと、それでいて島の王者として稟として生き続けていたイリオモテヤマネコも、開発のため、外来種のために今では絶滅に追いやられてしまっている。本人は気がついていないところが哀れだ。目に見えないところから自分達の存続を危ぶむモノ達がじわじわ押し寄せてくるなんて、まさに恐怖だ。造形的には、獲物をねらうような目とポーズを忠実に再現しており、そんな恐怖をみじんも感じさせない堂々としたイリオモテヤマネコの姿を再現。現在の生活環境を知ってしまうと、ちょっともの悲しい感情も芽生えるリアルさがすばらしい。